交通事故の「損害の種類」と「損害額算定の具体例」

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交通事故における損害の種類

交通事故に遭った場合、損害の内容は大きく以下のように分かれます。

財産的損害

積極損害 交通事故を原因に生じた財産の消滅・減少、治療費、入院費等
消極損害 交通事故が起こらなければ、将来被害者が得られるはずだった

利益を得られないという損害。

(ア)休業損害 交通事故を原因に生じた財産の消滅・減少、治療費、入院費等
(イ)逸失利益 交通事故が起こらなければ、将来被害者が得られるはずだった

利益を得られないという損害。

精神的損害

精神的損害(精神的苦痛)に対する損害賠償のこと。

傷害慰謝料 事故によって傷害を負った被害者がその精神的苦痛について行う損害賠償請求
具体的には、入通院慰謝料、後遺症慰謝料
死亡慰謝料 被害者の死亡という精神的苦痛を受けた遺族がする損害賠償請求

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損害の「適正な賠償額」の算定の具体的検討

以下の事例はいずれも複数の仮定に基づき算出された概算であり、実際に保険会社より受領できる金額を保証するものではありませんので、その点ご留意下さい。

会社員の男性(26歳、四大卒、年収500万円)が交通事故によって片目を失明し、症状固定までに入院2ヶ月、通院4ヶ月を要した場合

積極損害(治療費、入院費)

入院費・治療費等の治療関係費 36万円と仮定

消極損害(休業損害、後遺症による逸失利益)

(ア)休業損害

一日分の給与1万2千円(月給30万円、月25日稼働、賞与60万円×年2回で計算)で、100日分=120万円

(イ)後遺症による逸失利益

逸失利益は、年収×労働能力喪失率*1×ライプニッツ係数*2という計算式で算出されます。したがって、

5,000,000(年収)×0.45(労働能力喪失率)×17.2944(ライプニッツ係数)=38,912,400円

※1 労働能力喪失率は、後遺症の等級により予め決められた係数になるのが原則です。

※2逸失利益は、将来受け取るはずの金銭を前倒しで一括で受け取ることになりますので、途中で発生する中間利息を差し引く必要があります。具体的には、民法が定める法定利息が年5%とされていることから5%の利息を複利で差し引くための係数です。

精神的傷害

(ア)入通院慰謝料 約160万円

(イ)後遺症慰謝料 約830万円(後遺障害等級第8級に相当)

合計

以上の合計約5200万円が「適正な賠償額」となります。

ケース2

会社員の男性(55歳、高卒、年収700万円)が交通事故によって、片方の手の人差し指を失い、症状固定まで入院1ヶ月、通院2ヶ月を要した場合

積極損害(治療費、入院費)

入院費・治療費等の治療関係費 24万円と仮定

消極損害(休業損害、後遺症による逸失利益)

(ア)休業損害

一日分の給与1万7千円(月給45万円、月25日稼働、賞与90万円×年2回で計算)で、100日分=170万円

(イ)後遺症による逸失利益

(年収×労働能力喪失率×ライプニッツ係数という計算式による。)
7,000,000(年収)×0.2(労働能力喪失率)×8.8633(ライプニッツ係数)=12,408,620円

精神的傷害

(ア)入通院慰謝料 約100万円

(イ)後遺症慰謝料 約420万円(後遺障害等級第11級に相当)

合計

以上の合計約2000万円が「適正な賠償額」となります。

ケース3

31歳女性(年収400万円)が交通事故に遭い、2ヶ月入院、5ヶ月通院したと仮定して顔面裂傷等の傷害によって女子の外貌に著しい醜状を残すものとして、後遺障害等級第7級に認定された例。

積極損害(治療費、入院費)

入院費・治療費等の治療関係費 160万円と仮定

消極損害(休業損害、後遺症による逸失利益)

(ア)休業損害

1日分の給与1万円(月給30万円、月25日稼働で計算)で、
200日分=200万円

(イ)後遺症による逸失利益

(年収×労働能力喪失率×ライプニッツ係数という計算式による。)
4,000,000(年収)×0.56(労働能力喪失率)×16.5469(ライプニッツ係数)=37.065.056円

精神的傷害

(ア)入通院慰謝料 約170万円

(イ)後遺症慰謝料 約1000万円(後遺障害等級第7級に相当)

合計

以上の合計約5000万円が「適正な賠償額」となります。

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